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前略、沼の中より

行き着く先はいつもアイドル(だいたいアラサー)な女が書き散らかすブログ

入隊するアイドルを見送る

私がこよなく愛するアラサーアイドルたちが今年、次々に入隊していく。

 

韓国に生まれた男なら誰もが背負う義務である兵役。兵役と一口に言っても公益勤務やらいろいろな役職があるようですが、入隊すれば約2年は表舞台から姿を消すことになる。

個人的にアイドルが面白くなるのは30代からだと思っていて、この多様化するアイドルのあり方をどう進み、切り拓くのかが見たいのだ。そんな時に約2年兵役につくのは惜しい。

私はずっとジャニオタでしたので韓国のアイドルやら韓流スターが好きな人から、あなたが追いかけているのは日本人だから兵役がなくていいとよく言われていたのを思い出した。

 

先月31日に入隊した1人のアイドルがいる。JYJのジェジュン

彼は入隊を控え、あえて表舞台に立つ機会をとても多く設けていた。今、アイドルの自分の姿をなるべく多く見せたいという気持ちがあったのかもしれない。忘れられることを恐れ、この幸せがいつか消えてしまうのではないかといつも怖がるジェジュンらしくもあった。

日本で行われたドラマのファンミーティングで見せた涙と「正直、離れたくない」という言葉。そして本当に入隊直前に韓国で行われたソロコンサートでの涙、そして「浮気したら殺す!」という言葉。

ステージの上で涙で言葉に詰まりながら、耐えきれず背中を丸めてしまうジェジュンは何とも言えない痛々しさがあった。そして「浮気したら殺す!」という激重な言葉に隠された強がりが切なさを増長させる。そして、あの訴訟で負けたときには死のうと思ったと絞り出すように言った彼。

不安と寂しさを自分の体だけでは抱えきれなくなって苦しそうなジェジュンの姿を見るのは辛かったが、溢れて止まらない涙まみれの笑顔は本当に本当に綺麗だった。そこにはいってらっしゃい、と送り出したくなくなるような儚なすぎる美しさがあった。

これはもはや、ジェジュンに国を守らせるのではなくて国の方がジェジュンのことを守ってやるべきなんじゃ?なんて突拍子も無いことを思ったりもした。

 

そして、つい先日。東方神起のユノが明言こそしていなかったが、兵役のためにライブツアーなどの活動を一時休止することをコンサートで告げた。

ユノはとにかく顔がぐっしゃぐしゃで、涙を堪えるようにきゅうっと力を込めて、結局しゃくりあげて泣いた。大人の男の人のああいう泣き顔を見たのは初めてだった。感情がぶわっと溢れて、抑えが効かなくなるような号泣。まるでユノが一気に小さな子供に戻ったみたいに思えた。

そしてユノの隣に立つチャンミンの目にも涙の膜が張り、目の端を真っ赤にしながらも、静かに泣きじゃくるユノに寄り添い肩を抱いていた。ものすごく優しい顔で。

そんな姿を見ていたら彼らが死に物狂いで走り続けてきた10年の軌跡が垣間見えてくるような気がして、胸が甘く痛んだ。自分はリーダーだからと強く涙を流さない男であろうとして、チャンミンにはユノは涙の流し方を忘れてしまったんじゃないかと心配になるとまで言われていた。そんなユノが小さな子供のようにしゃくりあげて泣いた。今、ようやく泣くことができたのだ。

きっとこれまでも色んなことが不安で、色んなことが怖かっただろうに、涙をぐっと奥底に追いやっていた。そして弱いところを見せまいと強くて頼り甲斐のある姿。そんな姿をずっと隣で見ていたチャンミンは、どれだけ心強かったことだろうか。そして、チャンミンチャンミンなりに強くなって、守られ支えられる立場から守り支えることができるようになった。

ドラマでもアニメでもない現実に、他人同士の間に家族のように強い絆があることがすごく尊くて、温かい気持ちになった。嗚呼、アイドルって最高。

 

 

アイドル達が心の底に隠し、ぎゅうっと押し込めていた気持ちを抉り出してしまう兵役。

兵役にいくということがどれだけ強くて大きな意味を持つのかを改めて知ることになった。

たった2年の別れ。でもアイドルはそこで時が止まってしまう。私たちには流れていく2年という歳月を送ることができなくなる。自分を取り巻いていた状況がどう変わるかなんて分からない。やっとの思いで掴んだものをここで手放すことの怖さが見えてくるようだった。

また、兵役は生易しいものではない。厳しい訓練があるし、そこでいじめの問題などが噴出しているのも事実。しかも、ちょうど最近米韓で軍事合同演習が行われたというニュースを見て、もしかしたらそこに入隊したアイドルが混じって演習をする可能性もあると思ったら一気に気持ちが沈んだ。

私は生まれて初めて、柄にもなく世界平和を祈った。

アイドルだろうがそうじゃなかろうが入隊している男性には、当然のことながら母親がいて父親がいて、無事に帰りを待っている誰かがいる。自由に会いたい人と会うこともできなくて、命の危険にさらされて神経をすり減らさなければならない環境下に置かれている。それも30代手前の若い男が。つらすぎる。きっと何かしら怪我をしたりすることもあるだろうし、無事に帰ってくることができない可能性だって十分ある。

待つ私たちは、どうか無事で健康で帰ってくるようにと願い祈ることしか出来ない。

一刻も早く世界が平和になりますように。傷つく必要のない人が傷つかずに済みますように。そして愛する人がただいまと言いながら笑顔でステージに帰って来ますように。